Posted on: 2020年2月18日 Posted by: 對馬拓 Comments: 0

Label – EMI Records 
Release – 2018/09/12 

前作から約2年ぶりとなったメジャー3作目。

本作でシューゲイズ・サウンドはほぼ完全に封印。つまりそれは、かつての自分たちの呪縛から完全に解放され、文字通りの「自由」を手にしたということに他ならないだろう。

角が取れて丸みを帯びたポップな作風とまっすぐな歌詞は、さながら『猫とアレルギー』で見せた風通しの良さをさらに突き詰めたような印象。全体的に抜けの良いサウンドによって、きのこ帝国はこれまでにないほどの間口の広さを獲得した。

しかし、手数の多いドラムで魅了する「ラプス」や、変態的なギターが癖になる「カノン」など、インディペンデントな息遣いも随所に健在。バンド結成10周年を経て届けられた「夢みる頃を過ぎても」は、大人になるにつれて忘れてしまった大事な何かを思い出させてくれる強さに満ちている。

text by osushitabeiko