Posted on: 2022年11月4日 Posted by: Sleep like a pillow Comments: 0

本記事は、2021年で30周年を迎えたMy Bloody Valentineの2ndアルバム『Loveless』を記念した企画の一環として実施した、Twitterのユーザーによる投票企画「オールタイム・ベスト・シューゲイザー」の集計結果をまとめたものです。Twitter上では昨年末にトップ50位以内の作品のみ発表しておりましたが、『Loveless』のリリース当日である2022年11月4日、トップ100位以内の作品を一挙公開いたします。

なお、本企画はこれまで様々なオールタイム・ベスト企画を開催してきたJune氏から持ち込みがあり、Sleep like a pillowとの共催として実施したものです。1人につき最大30作品を順位付けで投票していただき、1位=30点、2位=29点・・・・29位=2点、30位=1点とそれぞれ得点化。全ての票から足し合わせてランキング化しております。

【投票企画】オールタイム・ベスト・シューゲイザー

また、本記事に掲載した全ての作品に対して、弊メディアの對馬と鴉鷺によるコメントを付けました。名作が名作たる所以を再確認し、シューゲイザーを知らない方に少しでも興味を持っていただきたいという想いからです。是非、シューゲイザーの入門記事として本稿をご活用ください。

もちろん、本企画はアーティストや作品に優劣を付けようなどという意図はございません。それぞれのアーティストのそれぞれの作品はかけがえのないものであり、それらに対する個々のリスナーの想い入れも尊いものです。そのことだけは、皆様にもご理解いただければと思います。

総作品数:1089枚
総票数:157票

* * *

99. Bowery Electric – Beat

【 116点 / 6票 】

Lawrence ChandlerとMartha SchwendenerによってNYで結成されたユニット、バワリー・エレクトリックの2ndアルバム。エレクトロニカ/トリップホップとシューゲイザーを繋ぐ重要な1作。(對馬)

Label – Kranky
Release – 1996/11/12

99. V.A. – Seven Winters

【 116点 / 7票 】

国内外のシューゲイザー・バンドを集めたコンピレーション・アルバム。Ca-Pを擁するレーベル、G・A・CとWebサイト「マイブラ予備校」の共同リリース。Astrobrite、Airiel、HARTFIELD、Luminous Orange、COALTAR OF THE DEEPERSらが参加。現在、音源は入手困難。(對馬)

Label – G.A.C.
Release – 2001/05/16

99. Astrobrite – Crush

【 116点 / 8票 】

Lovesliescrushingなどの活動でも知られるUSのレジェンド、スコット・コルツによるバンド・プロジェクト、アストロブライトの1stアルバム。高速ドラムと大きくうねる轟音が幻惑的な「crasher」は、2022年9月の来日公演でも披露された。(對馬)

Label – Clairecords / BLVD / wavertone
Release – 2001/06/01

97. Blur – Leisure

【 118点 / 5票 】

ブリットポップを代表するバンド、ブラーの1stアルバムがランクイン。オリジナル・シューゲイザーの黄金期にリリースされたこともあり、ざらついたギターやエコーのかかったヴォーカルを響かせる冒頭の「She’s So High」など、シューゲイザーに影響を受けた楽曲を多数収録。(對馬)

Label – Food / EMI
Release – 1991/08/26

97. Sigur Rós – Takk…

【 118点 / 7票 】

アイスランドの至宝、ポスト・ロック・シーンを代表するバンド、シガー・ロスによる4thアルバム。タイトルはアイスランド語で“ありがとう”の意。ヨンシーの中性的なヴォーカルと豊かなストリングスが非凡な美しさを放つ「Hoppípolla」は屈指の名曲。(對馬)

Label – Geffen / EMI
Release – 2005/09/12

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96. Parannoul – Let’s Walk on the Path of a Blue Cat

【 120点 / 6票 】

韓国を拠点に活動するソロ・シューゲイザー・プロジェクトによる1stアルバム。青春の光と闇と描く名作2ndと比較して、ポスト・ロックの影響が色濃い澄んだ音響と楽曲が美しい。事実インタビューでmonocismやtoeの影響を公言している。記録的なバズに至る前の、美しい光の録音としての結晶化。(鴉鷺)

Label – Self Released
Release – 2020/01/17

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95. M83 – Saturdays=Youth

【 121点 / 8票 】

フランスを拠点に90年代から活動するアンソニー・ゴンザレスのソロ・プロジェクトによる5thアルバム。ウルリッヒ・シュナウスと並んで初期のエレクトロ・シューゲイザーに数えられるM83の作品の中では、直截的なドリームポップの要素が強い、聴者を鮮やかな幻想へと導くことを約束する名盤。その後のシンセ路線やエレクトロ路線のシューゲイザーに与えた影響は計り知れない。(鴉鷺)

Label – Virgin
Release – 2008/04/11

93. syrup16g – HELL-SEE

【 123点 / 6票 】

ゼロ年代を代表するオルタナティヴ・ロック・バンドの4thアルバム。ニュー・ウェイヴの文脈で語られることの多い印象の彼らだが、独特な音像の本作はシューゲイズ的な要素も随所に見られる。(對馬)

Label – トライアド / UK.PROJECT
Release – 2003/03/19

93. 死んだ僕の彼女 – Ixtab

【 123点 / 5票 】

関東を拠点に活動するシューゲイザー・バンドによる1stミニアルバム。マヤ神話における自殺を司る女神“イシュタム”の名をタイトルに冠したことに相応しく、大名曲である「watashi no aishita manatsu no shinigami」が象徴するダークで美しい楽曲が並ぶ。初期から姿勢が一貫している様を伺える名盤。(鴉鷺)

Label – Natural-Hi-Tech
Release – 2010/03/10

91. Swirlies – Blonder Tongue Audio Baton

【 124点 / 9票 】

ボストン出身のバンド、スワーリーズによる1stアルバム。My Bloody Valentineのアブストラクトな部分とSonic Youth譲りの不協和音を合体させたかような、エクスペリメンタルなシューゲイザーを響かせる。(對馬)

Label – Taang!
Release – 1993/03/26

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Swirlies – Blonder Tongue Audio Baton(1993)

91. The Radio Dept. – Pet Grief

【 124点 / 7票 】

スウェーデン発、ゼロ年代の“ニューゲイザー”を代表するドリームポップ・バンド、レディオ・デプトの2ndアルバム。打ち込みを大々的に取り入れ、エレクトロ・ポップに接近したサウンドで新境地を開拓した。表題曲「Pet Grief」はその象徴。(對馬)

Label – Labrador
Release – 2006/04/12

89. For Tracy Hyde – Ethernity

【 127点 / 7票 】

東京を拠点に活動するシューゲイザー・バンドによる4thアルバム。ソングライター/ギタリストである夏bot氏が語った通り、スロウコアやグランジをリファレンスとするヘヴィー・シューゲイザーでありつつ、ポスト渋谷系としての行持を忘れないポップネスに満ちた作品。そしてそれらの美しい交錯点であるだろう。(鴉鷺)

Label – P-VINE
Release – 2021/02/17

89. Ride – Weather Diaries

【 127点 / 5票 】

UKオックスフォード発のレジェンドにして、オリジナル・シューゲイザーを代表する4人組、ライドの実に20年ぶりとなった5thアルバム。かつての青さを感じさせつつ、よりドリーミーに変貌した彼らを体現する「Lannoy Point」で完全復活を印象付けた。(對馬)

Label – Wichita Recordings
Release – 2017/06/16

88. Pale Saints – In Ribbons

【 130点 / 8票 】

UKリーズで結成され、オリジナル・シューゲイズ・シーンとその時代の4ADを支えたペイル・セインツの2ndアルバム。1stアルバムに比べると埋もれがちではあるが、耽美的なサウンドとイアン・マスターズの透き通ったヴォーカルを堪能できる1枚。特にラストの「A Thousand Stars Burst Open」は白眉の出来。2022年で30周年。(對馬)

Label – 4AD
Release – 1992/03/23

87. Cocteau Twins – Treasure

【 132点 / 7票 】

UKスコットランドの元祖ドリームポップ・バンド、コクトー・ツインズによる3rdアルバム。ディスコグラフィーの中でも一際ゴシック色が強いドリームポップであり、「Beatrix」で示される多様式主義的な展開も備えた名盤。エリザベス・フレイザーの歌唱のリチュアルさは今作で一つのピークを迎えている。(鴉鷺)

Label – 4AD
Release – 1984/11/01

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86. Flying Saucer Attack – Further

【 135点 / 8票 】

UKブリストルのグループ、フライング・ソーサー・アタックの2ndアルバム。シューゲイザーはもちろん、ドローンやサイケ、アンビエント、音響フォークなどの要素を含んだ、揺蕩うようなサウンドが深淵へと誘う初期の名盤。(對馬)

Label – Drag City / Domino
Release – 1995/04/17

85. Jesu – Silver

【 137点 / 8票 】

元GodfleshのJustin Broadrickによるヘヴィー・シューゲイザー/ポスト・メタル・プロジェクトによる2nd EP。その後も進化/深化を続ける宗教的でヘヴィーなサウンドの発端を聴くような作品。例えば「Star」での、Godflesh時代の凶暴さを見せつつ、同時に聖性を叩きつける様な楽曲群は不朽の名盤と呼ぶに相応しいだろう。(鴉鷺)

Label – Hydra Head Records
Release – 2006/04/11

84. Yuck – Yuck

【 138点 / 6票 】

ロンドン出身のインディー・ロック・バンド、ヤックの1stアルバム。ベースには日本人のDoi Marikoが在籍。USオルタナを経由したローファイなサウンドでテン年代のインディー・ロックを牽引した。2021年、本作リリースより10周年を迎えた当日に惜しくも解散を表明。(對馬)

Label – Fat Possum / Mercury
Release – 2011/02/15 “

83. スーパーカー – Futurama

【 139点 / 7票 】

数年間の活動で一時代を築いた青森出身の4人組、スーパーカーの3rdアルバム。次作『HIGHVISION』で全面的に導入されるエレクトロニカの要素がロック・サウンドと黄金比率で混ざり合う。「White Surf style 5.」「FAIRWAY」などは確かにシューゲイズ的。(對馬)

Label – Ki/oon
Release – 2000/11/22

82. Spirituarized – Ladies and Gentlemen We Are Floating in Space

【 141点 / 7票 】

元Spacemen 3の鬼才、ジェイソン・ピアース率いるスピリチュアライズドの3rdアルバム。『宇宙遊泳』という邦題が端的に示すように、サイケ、プログレ、シューゲイズなどの多彩なアプローチと壮大なオーケストレーション・サウンドが一枚絵のように広がる名盤。(對馬)

Label – Dedicated
Release – 1997/06/16

81. 死んだ僕の彼女 hades (the nine stages of change at the deceased remains)

【 143点 / 8票 】

93位に続いて1stフルもランクイン。九相図のように別れから喪失までを描くコンセプト・アルバムでありつつ、ダークでゴシックへの目配せを感じさせる国産ヘヴィー・シューゲイザーの美しい到達点を示す名盤。暗い水面を覗き込むようでありながら、澄んだ感情を感じさせるサウンドと楽曲は無二だろう。(鴉鷺)

Label – n_ingen RECORD
Release – 2015/06/03

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80. Pia Fraus – In Solarium

【 144点 / 12票 】

エストニア出身、90年代から活動するシューゲイザー・バンド、ピア・フラウスよる2ndアルバム。前作がデモであったため、今作が正式には1stとなる。ドリームポップとシューゲイザーの間を行くような、例えば後年のThe Pains of Being Pure at Heartらの先駆と言える作品で、ハイセンスな楽曲とサウンドが今も色褪せない名盤。(鴉鷺)

Label – Clairecords / SekSound
Release – 2002/07/16

79. Blonde Redhead – 23

【 146票 / 11点 】

90年代から活動するNYのオルタナティブ・ロック・バンド、ブロンド・レッドヘッドが4AD時代に残した7thアルバム。日本人女性のカズ・マキノによる淡いヴォーカルとダイナミックなギターが無二の存在感を放つ表題曲など、キャリアの中でも特にシューゲイザー/ドリームポップに接近した1枚。(對馬)

Label – 4AD
Release – 2007/04/10

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78. Westkust – Westkust

【 148票 / 10点 】

スウェーデン・ヨーテボリ出身のシューゲイザー・バンド、ウェストカストによる2ndアルバム。同じくヨーテボリの名門レーベル、Luxuryからのリリース(USはTurnoverなどを排出したRun For Cover)。センチメンタリズムと疾走感を纏った、どこまでも甘酸っぱいシューゲイズ・ポップの名盤。

Label – Luxury / Run For Cover
Release – 2019/03/01

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Westkust – Westkust(2019)

76. Airiel – The Battle of Sealand

【 154点 / 12票 】

アメリカ・シカゴを拠点として活動するシューゲイザー・バンド、エアリエルによる1stアルバム。ニューゲイザーの狼煙のように響く「Think Tank」から始まり、現行のシューゲイザーとブレイクビーツの融合の最初期の例とも言える「Sugar Crystal」を経て、美しい終演まで駆け抜ける不動の名盤。(鴉鷺)

Label – Highwheel
Release – 2007/08/29

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76. Ringo Deathstarr – Sparkler

【 154点 / 9票 】

USテキサス発、ビートルズのリンゴ・スターと『スターウォーズ』に登場するデススターを組み合わせた名前で現行シューゲイズ・シーンの代名詞となったバンドによる、日本限定リリースのデビュー・ミニアルバム。ゴキゲンなシューゲイズ・ナンバー「IN LOVE」など人気曲多数。(對馬)

Label – Vinyl Junkie Recordings
Release – 2009/11/04

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75. DIIV – Is the Is Are

【 156点 / 8票 】

USブルックリン発、Captured Tracksを代表する4人組ドリームポップ・バンド、ダイヴの2ndアルバム。1stで確立したドリーミーなサーフ・ポップのスタイルそのままに、よりシューゲイズ感を強めた1作。「Blue Boredom」では当時ザカリー・コール・スミスのパートナーだったスカイ・フェレイラが参加。

Label – Captured Tracks
Release – 2016/02/05

74. Lush – Spooky

【 157点 / 8票 】

ロンドン発、オリジナル・シューゲイザーの一角を担ったラッシュの2ndアルバム。耽美的でどこか冷徹な音像は実に4ADらしいがそれもそのはず、本作のプロデュースはCocteau Twinsのロビン・ガスリー。ハイトーン・ヴォイスも美しい。なお中心メンバーのミキ・ベレーニは現在Piroshkaを結成、既に2枚アルバムをリリースしている。

Label – 4AD
Release – 1992/01/27

73. Yo La Tengo – Painful

【 159点 / 7票 】

USニュージャージー発のオルタナティヴ・ロック・バンド、ヨ・ラ・テンゴの6thアルバム。フィードバックするシューゲイズ・ギターが、全体を覆うアンニュイな雰囲気と絶妙にマッチ。揺蕩うようなオルガンの音色も良いアクセントに。(對馬)

Label – Matador
Release – 1993/10/05

72. Luby Sparks – Luby Sparks

【 162点 / 12票 】

彼らの1stアルバムにして、男女ツイン・ヴォーカルと甘酸っぱいポップネスでシーンの最前線へと躍り出た傑作。プロデュースはYuckのマックス・ブルーム、全編ロンドンで制作というのも規格外。2022年には4年ぶりの2ndアルバムをリリース、より広く90’sなど自らのルーツを押し出したサウンドを展開。(對馬)

Label – AWDR/LR2
Release – 2018/01/24

71. Lovesliescrushing – Bloweyelashwish

【 163点 / 10票 】

USミシガン出身の、Astrobriteでの活動で著名なスコット・コルツのプロジェクトによる1stアルバム。エセリアルで所謂アンビエント的な音響に接近していく彼/彼女らの荒削りな、剥き出しの実験精神と聖性に溢れた作品であり、アンビエントとシューゲイザーの融解点を示す名作。(鴉鷺)

Label – Projekt
Release – 1993/07/07

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70. Exlovers – Moth

【 165点 / 12票 】

ロンドンを拠点として活動していたシューゲイザー・バンドによる1stアルバム。この1枚を残して解散している。1曲目の「Starlight, Starlight」が象徴するように、シューゲイザー/ドリームポップの王道を行くポップネスとリリシズム、感情と感傷のスピードを抱えた名盤。特に前述の1曲はある種の普遍的な地点に至っている名曲。(鴉鷺)

Label – Young And Lost Club
Release – 2012/06/17

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69. My Bloody Valentine – You Made Me Realise

【 171点 / 8票 】

言わずと知れたオリジナル・シューゲイズの頂点に君臨するマイ・ブラッディ・ヴァレンタインが、Creationに移籍して初めてリリースした音源であり、シューゲイズ史の“はじまり”を告げる轟音ナンバー「You Made Me Realise」を収録したEP作品。

Label – Creation
Release – 1988/08/08

68. The Horrors – Primary Colours

【 175点 / 9票 】

UKエセックスのロック・バンド、ホラーズの2ndアルバム。ネオサイケやゴシック・ロック、ポスト・パンクなどを通過したようなシューゲイズ・サウンドで覚醒。タイトなリズム隊とうねるようなギターで疾走する「Scarlet Fields」は本作のハイライト。(對馬)

Label – XL Recordings
Release – 2009/04/21

65. Hartfield – True Color, True Lie

【 177点 / 9票 】

国産シューゲイザーの名バンドが残した1stアルバム。初期のスーパーカーをさらにシューゲイズさせたようなギター・ノイズと甘酸っぱくポップなメロディ・ラインで駆け抜ける1枚。ミックスはAstrobriteのスコット・コルツが手掛けており、Clairecordsから収録曲違いでUS盤もリリースされている。(對馬)

Label – Vinyl Junkie Recordings / Clairecords
Release – 2003/10/24

65. My Bloody Valentine – m b v

【 177点 / 9票 】

20年以上を経て、王者が堂々の帰還を果たした3rdアルバム。誰も想像(創造)できなかった『Loveless』のその先を、レジェンド自身が圧倒的に緻密で実験的なサウンド・スケープで描いてみせた。実質的なセルフ・タイトルである点も納得。(對馬)
Label – Self Released / Domino
Release – 2013/02/02

65. The Boo Radleys – Everything’s Alright Forever

【 177点 / 9票 】

UKリヴァプール発のロック・バンド、ブー・ラドリーズの2ndアルバム。後にブリット・ポップ化したバンドの一つであるが、この頃はジャケットの如くダイナミックな極彩色シューゲイズを鳴らしている。なんと2022年には24年ぶりのアルバムをリリース、ポップ・マエストロぶりを余す所なく発揮。(對馬)

Label – Creation
Release – 1992/03/23

62. The Jesus and Mary Chain – Darklands

【 178点 / 8票 】

初期のCreationを支えた名バンドであり、強烈にノイジーなサウンドとポップなメロディで後のシューゲイザーの礎を築いたリード兄弟による通称“ジザメリ”の2ndアルバム。1stで撒き散らしたノイズは鳴りを潜めつつも、前面に押し出されたグッド・メロディで人気の高い1枚。

Label – Blanco y Negro
Release – 1987/08/31

62. THE NOVEMBERS – Rhapsody in beauty

【 178点 / 10票 】

東京を拠点に活動するロック・バンドによる5thフルアルバム。シューゲイザー、ヴィジュアル系、ポスト・パンク、ART-SCHOOLをはじめとする邦楽ロックなど彼らの影響源は多岐に渡るが、今作はその作品群の中でも一際ヘヴィーでシューゲイザー色が強い。そして言及するべきなのはインダストリアルへの目配せだろう。(鴉鷺)

Label – MERZ 
Release – 2014/10/15

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62. Alcest – Souvenirs d’un autre monde

【 178点 / 11票 】

フランスを拠点に活動するブラックゲイズ・バンドによる1stアルバム。首謀者であるNiegeが幼い頃から夢見ている“Fairy Land”という幻想郷を描いた、との発言通り幻想的でユーフォリックでありつつヘヴィーな楽曲が並ぶ。それ以降のブラックメタルへの再接近や歌ものへの回帰の起点として重要作。(鴉鷺)

Label – Prophecy Productions
Release – 2007/08/08″

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61. Mew – Frengers

【 179点 / 12票 】

デンマークのオルタナティヴ・ロック・バンド、ミューのデビュー・アルバム。中性的なヴォーカルと美メロ、ポスト・ロックを経由した緻密なアンサンブルで不動の人気を誇る。ラストの「Comforting Sounds」は9分に迫る壮大な展開でキャリアを代表する1曲に。(對馬)

Label – Sony
Release – 2003/04/07

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60. Swirlies – They Spent Their Wild Youthful Days in the Glitterring Wrold of the Salons

【 180点 / 8票 】

91位に続き2ndアルバムがランクイン。バーストするギターや予測不能なリズム・セクションが歪ながらも美しくデザインされた、あまりにも独創的なサウンドが強烈な1枚で、後のSerena-Maneeshなどミュータント的なシューゲイズへの布石であるようにも聴き取れる。(對馬)

Label – Taang!
Release – 1996/04/01

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59. Sigur Rós – Ágætis byrjun

【 182点 / 9票 】

アイスランドのポスト・ロック・バンドによる2ndアルバム。ジャケットの眠る胎児のように、羊水に包まれて耳にする音響のような安らぎを感じるポスト・ロック。だが、彼らがその後の作品で顕在化させていく激情の起点として、今作の底流に強いエモーションが流れている点を見落としてはならない。(鴉鷺)

Label – Fat Cat / Smekkleysa
Release – 1999/06/12

57. 17歳とベルリンの壁 – Reflect

【 190点 / 11票 】

国内の現行シューゲイザーを代表する4人組による、キャリア随一の人気を誇る名作2ndミニアルバム。低体温で煌びやかなオープナー「地上の花」から轟音ギターが唸りを上げる「プリズム」に至る流れは圧巻。男女ツイン・ヴォーカルと心地良いリフレインを武器に、近年ではシンセを大々的に取り入れたアプローチを追求している。(對馬)

Label – Self Released
Release – 2017/04/05

57. Nothing – Tired of Tomorrow

【 190点 / 12票 】

USペンシルヴァニアのヘヴィー・シューゲイザー・バンド、ナッシングの2ndアルバム。最初期の宗教性が強い作風、剥き出しのハードコア・パンク的なサウンドが目立つ1st、そして彼らは今作でインディー・ロックに接近した。現行のヘヴィー・シューゲイザーのバンド群から見ても異質でありつつ、その王道を行く作品。そして、メンタルヘルスの問題への言及の起点でもある。(鴉鷺)

Label – Relapse
Release – 2016/03/13

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54. Deerhunter – Halcyon Digest

【 194点 / 9票 】

USアトランタを拠点に活動するドリームポップ・バンドによる5thアルバム。それ以前の多幸と不安を行き来する美しいサウンドは今作でさらに開けた地平に至っている。例えば「Helicopter」では重い主題をリリックで扱いつつ、サウンドや楽曲は極めてユーフォリックであることから、彼らが一級のポピュラー・ミュージックの作家であることを窺える。(鴉鷺)

Label – 4AD
Release – 2010/09/27

54. Secret Shine – Untouched

【 194点 / 12票 】

UKブリストルのシューゲイザー・バンドによる1stアルバム。Sarah Recordsからリリースされた唯一のシューゲイザーであり、1993年という早い時期にインディー・ポップの文脈とシューゲイザーを結びつけた名盤。その後のシーンに与えた影響は計り知れなく、The Pains of Being Pure at Heartなども彼ら/彼女ら以降と見て間違いないだろう。(鴉鷺)

Label – Sarah Records
Release – 1993/04/13

54. LSD and the Search for God – LSD and the Search for God

【 194点 / 13票 】

USカリフォルニアのシューゲイザー・バンドによる1st EP。バンド名の通り、彼らが掲げるのは生の謳歌であるサイケデリアであり、その周辺のバンド群とシューゲイザーの折衷のようなポップ・センスだ。轟音のシューゲイザーとして第一級でありつつ、現行シーンから見ても異質なバンドの名作である。(鴉鷺)

Label – Mind Expansion
Release – 2007/01/16

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53. Slowdive – Pygmalion

【 195点 / 9票 】

UKレディングのオリジナル・シューゲイザー・バンドによる、解散前最後の3rdアルバム。全編を通して流れているのは、シューゲイザーがアンビエント以降の音楽であることの証明でありつつ、エレクトロ・シューゲイザーの重要な起点であることを示す美しいアンビエンスと対岸を眼差すシューゲイザー・サウンドだ。特に「Crazy for You」でのシンプルなリフレインに宿る美しさは無二だろう。(鴉鷺)

Label – Creation
Release – 1995/02/06

52. COALTAR OF THE DEEPERS – THE BREASTROKE

【 197点 / 7票 】

NARASAKI率いるロック・バンドのベスト盤。まず前提として、歴史上かなり早い時期にヘヴィー・シューゲイザーを演奏していたのは彼らである。このベスト盤は特にその側面、ヘヴィーで幻想的な名曲群を集めている印象を受ける。爽快で荒削りなハードコア・パンクの感触と幻を叙景するシューゲイザーの、美しい融合点。(鴉鷺)

Label – MUSIC MINE
Release – 1998/12/16

51. DIIV – Oshin

【 200点 / 13票 】

75位の2ndに続いて1stアルバムが登場。“ocean”から取られたタイトル通り、潮風が頬を撫でるようなサーフ・ポップ的意匠と、センチメンタリズムをくすぐるドリーミーな質感によって、数多のフォロワーを生み出した1枚。(對馬)

Label – Captured Tracks
Release – 2012/06/26

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