Label – Self Released
Release – 2020/01/03
ワシントン州カークランド出身のエモ・シューゲイズ・バンド、Floral Tattooによる2ndアルバム。まず耳を奪われるのはAmerican Footballの様な透明感を持った轟音ギターとエモーショナルでポップな楽曲だ。エモとシューゲイザーのクロスオーバーはSubmotileやSore Eyelids、Solor Coaster等様々なバンドに見られるが、内在するポップセンスや親しみやすさに焦点を当てたFloral Tattooの音楽の感覚は無二のものだと感じる。「She」のエモーションの極点を記録する様な演奏と完成されたポップセンスに胸を撃ち抜かれるし、元々がフォーキッシュなパンク・ロックのソロ・プロジェクトだった事の影響か何処となく全体的なサウンドにフォークの影を感じるのも美点として映る。エモのイノセンスとポップネスと激情がシューゲイザーの幻想性と交錯するサウンドに心奪われる1枚。
text by aro
Author
- 大阪を拠点に活動する音楽ライター/歌人/レーベル主宰者。Sleep like a pillowでの執筆や海外アーティストへのインタビューの他、遠泳音楽(=Angelic Post-Shoegaze)レーベル「Siren for Charlotte」を共同オーナーとして運営し、主宰を務める短歌同人「天蓋短歌会」、詩歌同人「偽ドキドキ文芸部」にて活動している。好きなアニメはserial experiments lain、映画監督はタル・ベーラ。