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1991年にリリースされ、シューゲイザーの金字塔を打ち立てたMy Bloody Valentineの2ndアルバム『Loveless』。2021年11月でリリース30周年を迎えた本作を記念し、弊メディアでは「My Best Shoegaze」と題した特集記事を展開中。様々なリスナーを招き、各々が思うシューゲイザーの作品を5枚選出していただく。
【Feature】My Best Shoegaze
Vol.20は、For Tracy Hydeではヴォーカル/ギター、Ferri-Chromeではギター/コーラスとして、それぞれ異なるアプローチで活動するeurekaが選ぶ5枚。
* * *
■ Exlovers – Moth(2012)
Label – Young And Lost Club
Release – 2012/06/17
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このアルバムの収録曲をFor Tracy Hydeで一度カバーしたことがあり、それをきっかけに知って大好きになったアルバムです。懐かしさの中にロマンがあって……過去のSFに抱く感情と似たものを感じます。「こんなバンドをやってみたい」と私が口にしたことがきっかけでFerri-Chromeへの加入も決まったこともあって、私の中では思い入れのある大切な作品です。
■ Cosmic Child – Untitled(2016)
Label – Middle Class Cigars
Release – 2016/04/02
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一緒に何度かライブをさせてもらった彼らですが、とにかく楽曲の世界観がとてもロマンチックで大好きです。『Newton』という科学雑誌を小さい頃から愛読していてそんな世界観にときめく子だったのですが、その頃と似たような感覚になります。もし宇宙空間で音が聴こえたなら、こんな音であって欲しいなと思ったり。世界が落ち着いてきたらぜひまた日本でライブして欲しいです。
■ Enya – And Winter Came…(2008)
Label – Warner Brothers / Reprise
Release – 2008/11/07
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小学生の頃に父の影響でEnyaが好きになり、よく聴いていました。そんな中でどうしてこのアルバムにしたかというと、あまりドラマを観ない私が唯一大好きなドラマである『ありふれた奇跡』という作品のエンディングソングが入ってるからです。シューゲイザーというジャンルとは少し違うかも知れませんか、浮遊感がある輪郭の溶けたサウンドに多重録音でリヴァーブの深いヴォーカルがのっていて、シューゲイザーとの共通点も多いと個人的に思うのでこの作品を選びました。今の私を構成している大切な作品です。
■ Cocteau Twins – Treasure(1984)
Label – 4AD
Release – 1984/11/01
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Enyaが“龍”ならCocteau Twinsは“蛇”のような感じだなとずっと思っていて、ある時それを人に言ってみたら笑いながら「なんか分かる!」と言ってくれました。ジャンルなんて意識したことが無かったからこその感覚なのだと思います(普通その2バンドは一緒に語らないでしょう)。その中でもこのアルバムは幻想的かつ宗教的なイメージが強くて、その中毒性の高さが特にお気に入りです。
■ Sigur Rós – Takk…(2005)
Label – Geffen / EMI
Release – 2005/09/12
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高校生の頃、美容室でこのアルバムが流れていて、そのサウンドの心地良さにうっとりしつつ、すぐに美容師さんにバンド名を聞きました。私がまだシューゲイザーというジャンルを知らなかった頃です。今までは父から良い音楽を教えてもらう事が多い私でしたが、初めて父に「このアルバムすごくいいよ!!」とCDを貸しました。ちなみに「Andvari」が私のお気に入りソングです。
文=eureka(For Tracy Hyde / Ferri-Chrome)
編集=對馬拓
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■ Release
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For Tracy Hyde / Death Of Heather – Milkshake / Pretty Things(7inch)
□ Label – P-VINE
□ Release – 2022/11/02
1. For Tracy Hyde – Milkshake
2. Death of Heather – Pretty Things
■ Information
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new you Vol.1(ZINE)
特集:揺らぎ / 2022年上半期ベスト・シューゲイザー
*上半期ベストとして、Ferri-Chrome『Dazzling Azure』、For Tracy Hyde / RAY『フランボワーズ・パルフェのために』のディスクレビューを掲載
*Sleep like a pillowのWebストア『枕眠堂』の他、ディスクユニオン等の店舗、各種レーベル・ストア、ディストロにて販売中
Author
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