マレーシアのセランゴール州ペタリン・ジャヤ発のソロ・プロジェクト、7mintがデビュー・アルバム『Drum & Gaze: Dazey Chain』をリリースした。
ドラムンベースとシューゲイズの融合というコンセプトで展開される本作。7mintがどちらのジャンルも上手くこなすことができなかった結果、従来のジャンルの期待から外れた、ユニークな音のブレンドを生み出すことになったという。7mintはこう語る──「音で溺れさせるような音楽が好きなんだ。ブレイクコアやシューゲイズのようなもの──いずれも自分自身を見失いやすい性質を持っている。冷たい無関心と温かく親密な思い出の間で、聴く時間帯や頭の中によって切り替わるようなサウンドだ。」
7mintは、ベッドルームで音楽を制作している孤独なミュージシャンである。インターネット・カルチャーからのインスピレーションに駆られ、グランジやシューゲイズでお馴染みの、ファジーでオーバードライヴしたギターの音や、強力でスタイリッシュなビートを大いに楽しんでいる──それらは計算/シーケンスされた電子音のバラエティやアコースティック・キットのクオリティからくるものだ。正規のトレーニングを受けたことはなく、真剣に何かを学ぶには頑固すぎるため、7mintは4分の4拍子でチューニングされたジャガーと、一定のエフェクト・ペダルの組み合わせでプロジェクトに取り組んでおり、本当の居場所を持たないサウンド・キャラクターを編み出している──「グランジっぽいけど、ドライヴ感やヘヴィーなものを追求してはいないし、シューゲイザーっぽいけど、完全にドリーミーで幽玄的なものを追求しているわけでもない。確かにドラムンベースは入っているけど、クラブで演奏するような曲ではない。自分にとって、これは現実の世界やメジャーなシーンには居場所のない音楽で、ネット上でしか意味をなさない。自分のような人間のための音楽なんだ。」
全編に渡って展開されるフィメール・ヴォーカルは、リスナーに近づいてはアルバムの世界へと導く幽霊のような存在だ──「ボーカロイドやヴォーカル・シンセのプロデューサーたちの素晴らしい才能に、間違いなくインスパイアされている。日本以外の国に住んでいる自分にとって、この素晴らしい音楽のポケットに触れるのは全てインターネットだ。デジタル・アイドルとそれに関連するビジュアルは、彼らのシーンに特有の幻想と美学をもたらす。自分はファンではあるけれど、比較的そのシーンについては無知で、このアルバムはお気に入りのヴォーカル・シンセのプロデューサーたちには全く及ばないものだと思う。それでも自分のやり方で進んでみようとしてるよ。」
なお、本作は2023年3月にリリースしたEP『Drum & Gaze』に、よりキャッチーなプロダクション、よりグランジなリフ、よりムーディーなサウンドを加え、さらに深い部分へとリスナーを引き込むような幽玄なヴォーカルを乗せることで完成した──「7mintというプロジェクトは『Drum & Gaze』から始まった。『Drum & Gaze』は、ブレイクコアとドラムンベースのアレンジにシューゲイザーのトーンとサウンドを組み合わせる、というアイデアのための短い実験で、『2023 RPM Challenge』のために1ヶ月で完成させたものだった。不完全ではあるけれど、磨きをかける価値があるかもしれないと思わせてくれた。」
■ Release
7mint – Drum & Gaze: Dazey Chain
□ レーベル:Self Released
□ 仕様:Digital
□ リリース : 2023/12/20
□ トラックリスト:
1. Heatdeath
2. Angel Complex
3. Nostalgic
4. Phantom Proxy
5. Hitori Puzzle
6. Signals
7. Stockholm Syndrome
8. Nethunter
9. Lucid
10. Sear My Mind
11. Bomb Queen
*配信リンク:
https://artists.landr.com/7mint-dng001
*Bandcamp:
https://7mint.bandcamp.com/album/drum-gaze-dazey-chain