Posted on: 2025年1月17日 Posted by: Sleep like a pillow Comments: 0

トラックメイカー/歌人の木田昨年による不可思議ポップ・ソロ・ユニットであるネオンネウロンが、アルバム『Dead Wood Soundsystem』をSiren for Charlotteからリリースした。同レーベルからは2枚目のリリースとなる。

Siren for Charlotteは、ミュージック・マガジンやレコード・コレクターズなどで執筆する音楽ライターで、『ニューエイジ・ミュージック・ディスクガイド』(DU BOOKS)の監修/編集も務める門脇綱生が提唱する、新時代に向けた審美眼/コレクトである「遠泳音楽」(Angelic Post-Shoegaze)をテーマとしたレーベル。Sleep like a pillowなど各所で音楽批評、ディスクレビュー、インタビューなどの活動を行う音楽ライター/歌人の鴉鷺(aro)が共同主宰として参加している。

『Dead Wood Soundsystem』は前作の空間、(存在しない)場所の遠さの実験に引き続き、遠い時間、降りられない時間の実験であることをPost-Shoegazeというコンセプトと編み合わせ、緻密に創り上げられたネオンネウロンの美しい意欲作だ。アヴァンギャルドで綺麗なピアノの割れる硝子の破片、何もかもを時間に込めるようなビート、青年の狂おしい叙情が結晶する声が絡むような音楽である。

■ Concept

本作は、『Dead Wood Soundsystem』の名前の通り、死んだ木から作られたピアノやギターが、ネオンネウロンの手で構築されて、あたらしい音響空間へ生まれ変わる描写の繰り返しです。

何度も死に、何度も蘇ることは、当前の起こりではなく、痛いほどの消失を経て音が消え、また鳴り出すのです。
そのような瞬間に作り手として立ち会いながら、気がつけば特別に愛していました。

■ Statement

Siren for Charlotteからネオンネウロンのアルバムをリリースします。弊レーベルから二枚目の作品となります。

遠さ、音楽における遠さ、遠く離れた美しいもの、見えないもの、触れることが出来ないもの、その遠さはシューゲイズ、ポスト・シューゲイズとして重要な要素である。
前作は距離としての、場所、それらとしての遠さの実験であった。今作は時間的な、触れることが出来ない過去の遠さについての実験である。

同時に今作は、レーベル、特に門脇綱生が提示する近未来都市遠景、という音楽の構造にあてはまる。
硬質な都市性、人間の生におけるある種の存在の一側面としての音楽だ。

音響のリリシズム、言葉のリリシズム。「文学性を音楽に昇華したい」と語る木田昨年の実験はコンセプチュアルでアトモスフェリックな領域から、レトリックにおける具体性まで包括している(例えば畳み掛けるような言葉の感性は短歌のテクニックである)。
その速度、光明のようでありつつ薄暗い生の速度。鮮やかな闇、暗黒を超える輝き。それらすべては木田昨年の、内面に輝くものである。

この実践を、音楽をぜひご体験下さい。

Siren for Charlotte will be releasing an album by neoneuron. This will be the second his release on our label.

Distantness, distancing in music, distant beautiful things, things that cannot be seen or touched, distancing is an important element of shoegaze and post-shoegaze.
The previous album was an experiment in remoteness as distance, as place, and as those things. This work is an experiment in the remoteness of a temporal, untouchable past.

At the same time, this work fits into the structure of the music of the label, especially Tsunaki Kadowaki’s aesthetic sense called “近未来都市遠景”.
It is music of hard urbanity, an aspect of a certain kind of existence in human life.

The lyricism of sound, the lyricism of words. Kida says, “I want to sublimate literariness into music.” His experimentation ranges from the conceptual and atmospheric to the concrete in rhetoric (for example, the sensitivity of the words, like a convulsion, is a technique of tanka poetry).

Its velocity, the velocity of the luminous yet dim raw. The vivid darkness, the brilliance that transcends darkness. All of these are what shines inside of Kida last year.

We invite you to experience this practice and the music.

──Siren for Charlotte

■ Release

ネオンネウロン – Dead Wood Soundsystem

□ レーベル:Siren for Charlotte
□ 品番:SIREN:0014
□ 仕様:Digital
□ 価格:¥800
□ リリース:2025/01/11

□ トラックリスト:
1. 死神の平穏
2. 蕩けるB
3. あなたと、水族館を飲み干すまで。
4. メメント森
5. Heaven’s even seven eleven
6. いかれたショパン
7. 愛されなかった逆夢
8. 動
9. good sanatorium

*Bandcamp:
https://eneiongaku.bandcamp.com/album/dead-wood-soundsystem

■ Siren for Charlotte

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