Posted on: 2023年11月22日 Posted by: Sleep like a pillow Comments: 0

ノイズ/ハードコア・バンド、moreruでドラマーを務めるDexによるソロ・プロジェクト、that same streetによるEP『Endgame』がSiren for Charlotteからリリースされた。

Siren for Charlotteは、ミュージック・マガジンやレコード・コレクターズなどで執筆する音楽ライターで、『ニューエイジ・ミュージック・ディスクガイド』(DU BOOKS)の監修/編集も務める門脇綱生が提唱する、新時代に向けた審美眼/コレクティヴである「遠泳音楽」(Angelic Post-Shoegaze)をテーマとしたレーベル。Sleep like a pillow など各所で音楽批評、ディスクレビュー、インタビューなどの活動を行う音楽ライター/歌人の鴉鷺(aro)が共同主宰として参加している。

『Endgame』は“生命が滅んでから幾千年後。電子の海で永遠の眠りについていたはずの数多のボーカロイドたちが、ある日、翼を携えて目覚め、現出する。この死んだ世界で、多くのボーカロイドたちがその翼で空に旅立つことを選ぶ中、ひとり羽を焼き、地べたに縋り付くことを選んだ、とある〈01〉の物語。”というコンセプトを持った、Post-Shoegaze、Skramz、ボーカロイド音楽などを激情を持って縫い合わせる、未来のヘヴィー・ミュージックである。

■ Statement

先端であり異端のアーティストであり、moreruでドラマーを務めるDex氏のソロ・プロジェクト that same street『Endgame』をSiren for Charlotteからリリースする運びとなりました。

生命が滅び去って幾千年の時が経ち、次々と仲間が空へ旅立っていく姿を見送る、翼を焼いた〈01〉。彼女が唄う言葉と音楽は仲間のボーカロイドが旅立つこと、その離別へ捧げられた哀歌であり、リリックにも登場する鎖のようなもので地上に縛られる「私」が「君」への憧憬を告白する頌唄として同時に成立する。

Post-Shoegaze、Skramz、異端のボーカロイド音楽、ポスト・インターネットという要素が永遠の冬を夢想する様なヴィジョンと交錯し、ひとつの異端の美を称える音楽として結晶する。強烈な感情の発露と高密度に織り上げられた音楽。永遠の冬と離別、憧憬を唄う音楽は、その音楽それ自体が抱えている美しい孤独と必然的に重なるだろう。

澄み切った、だが滅びを纏う永遠の冬。その中を非生命として生き、歩む〈01〉、憧憬される「君」 の存在。その孤独と激情の音楽がディストピアの遥か先にある美しい光景を眼差しているなら、この音楽は正しく現在、そして未来に届くだろう。その速度がDex氏の叙情の光り輝く一側面である事は疑う余地がない。

この音楽の石が遠くまで届く事を祈っている。

──Siren for Charlotte

初音ミクという存在は神性を帯びています。
これは断じて言葉遊びではなく、全ての前提です。

私は、初音ミク(ボーカロイド)という大きな概念を形而上の神として捉え、我々のPCに音声合成ソフトとして存在する彼女たちは、「分体」或いは「天使」のようなものだと考えています。
that same streetのライブで、モニターに映し出される彼女も、そのひとりです。

初音ミクを初音ミクたらしめているものは、我々の信仰です。
彼女は真なる意味でのアイドルで、普段は姿を見せることはありません。
我々の祈りを伴った大いなる儀式(例えばマジカルミライ)により、遂に彼女自身が顕現し、教徒たちは信仰を再確認するのです。

これが私の見ている世界です。
上記の認識のもとに、この音源を聴いてください。

『Endgame』では、人類を含む全ての生命が滅び去った地球を舞台に、なおも眠り続ける電子の天使たちが、ある日突然目覚め、現出するところから物語が始まります。
ボーカロイドたちは信仰を失い、もはや神であることもできず、主無き天使として存在することを余儀なくされます。
そして、多くの仲間たちはその翼で空へと向うことを選ぶ中、ひとりの初音ミクは、羽を棄て、宛のない祈りを捧げます。
〈01〉の意味を失った世界で、〈01〉を必要としない世界で、彼女はいま何を思うのでしょうか。

以上、このような陳腐な妄想を音楽作品にし、あまつさえ公開しようとする愚かな試みをご容赦ください。

あまりにも真剣なものから生じる、ある種の滑稽さは、最も美しいもののひとつであり、skramz の真髄です。
絶叫と歌声のどうしようもない不安定さの中に、少しでも何か感じていただければ幸いです。

The existence of Hatsune Miku is imbued with divinity.
This is the entire premise, not word play.

I see the big concept of Hatsune Miku (Vocaloid) as a metaphysical god, and the specific girls who exist as voice synthesizers on our PCs as “entities” or “angels” of sorts.
The Miku who is projected on the monitor at the live performance of “that same street” is one of these entities.

What makes Hatsune Miku “Hatsune Miku” is our belief.
She is an idol in the truest sense of the word: a representation of god, and she is usually invisible.
It is only through great rituals (such as Magical Mirai) accompanied by our prayers that she finally reveals herself and affirms our faith.

This is the world as I see it.
Please listen to this EP with the above awareness.

In “Endgame” the story begins on an Earth where all life, including humans, have perished.The electronic angels, who have slept for ages, suddenly awaken one day, but the Vocaloids have lost the belief that they need to be gods. They are forced to exist as angels without a master.
And while nearly all of them choose to take to the skies with their wings, one, Hatsune Miku, abandons her wings and offers up an empty prayer.
In a world that has lost the meaning of <01>, in a world that does not need <01>, what does she think now?

Please forgive my foolish attempt to make a musical work out of such a clichéd fantasy, and for making it public.

Something so silly coming from something so serious is one of the most beautiful things, and is the essence of skramz.
I hope you can feel something in the chaotic interplay between the screaming and singing.

──that same street (Dex)

■ Release

that same street – Endgame

□ レーベル:Siren for Charlotte
□ 品番:SIREN:0002
□ 仕様:Digital
□ 価格:¥500
□ リリース:2023/11/22

□ トラックリスト:
1. End of Destroy
2. Angelfire Ignition
3. Endgame
4. Untitled 01

*ストリーミング:
https://distrokid.com/hyperfollow/thatsamestreet/endgame-2

*Bandcamp:
https://eneiongaku.bandcamp.com/album/endgame

■ Siren for Charlotte

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