漆黒、嗚咽、恍惚、亀裂、エヴァ…天使。UNCIVILIZED GIRLS MEMORYとWolf Creekがスプリット・アルバム『ANGELIC CONVERSATION』をSiren for Charlotteからリリース

UNCIVILIZED GIRLS MEMORYとWolf Creekがスプリット・アルバム『ANGELIC CONVERSATION』をSiren for Charlotteからリリースした。

Siren for Charlotteは、ミュージック・マガジンやレコード・コレクターズなどで執筆する音楽ライターで、『ニューエイジ・ミュージック・ディスクガイド』（DU BOOKS）の監修／編集も務める門脇綱生が提唱する、新時代に向けた審美眼／コレクトである「遠泳音楽」（Angelic Post-Shoegaze）をテーマとしたレーベル。Sleep like a pillow など各所で音楽批評、ディスクレビュー、インタビューなどの活動を行う音楽ライター／歌人の鴉鷺（aro）が共同主宰として参加している。

『ANGELIC CONVERSATION』は“Shoegaze Noise Wall”、“全てを黒く塗りつぶす激情によるシューゲイザー以降のノイズ・ミュージック”というコンセプトを参照し創られた、地底を行く神のような、もしくは天上に棲まう悪魔のような、美と倒錯の、腐爛と浄化の、漆黒の叙情の紀である。客演として、Wolf Creek「Death of Dominions」にTAICHI NAGURA（ENDON / SLAVEARTS / JUSTICE / LETTERS / TOKYO DIONYSOS）とKOKI MIYABE（ENDON）が、UNCIVILIZED GIRLS MEMORY「私にFVCKを与えないでください」に夢咲みちる（moreru）が参加している。

■ Concept

不埒な天使空き地を領すきみ曰く「猫語翻訳業従事」とか
/ 森島章人『月光の揚力』

天使を相手に百合男がまづ試みたのは会話であつたが、これは全く不可能であることがすぐわかつた。この世のものとも思はれぬ透明な美しい声音を天使は発したが、人間の言語には程遠い。それは、L音ともR音ともつかぬ一種の顫音で、幾つかのパターンがあつた。
「ルンルンルン、ルルル、ルルル、ルルールルー、ルルンルルン、ルンルーン 」⋯⋯
/ 須永 朝彦『天使』

天使は不圖おそろしき顔をしたり柱の陰よりこちらを向きて
/ 葛原妙子『朱靈』

少女は、堕天してこの世に放り出された天涯孤独の天使の自己を認識する。俗にまみれ一定の鋳型にはめていく世界は少女の到達した認識とかけはなれた存在であり、少女と世界はエイリアン同士として、あいまみえるのだ。
/ 小谷真理『テクノゴシック』

象徴的言語の世界においてのみ天使と大便は近い存在
/ 玉野勇希「VOID_2」

春も終わりの気配を出し始めた5月も末のこと私に──天使が舞い降りた
/ 椋木ななつ『私に天使が舞い降りた!』

■ Statement

おおいぬ座を見つめながら窓辺で首を吊る少女
首に巻き付いたシールドは天使のエフェクターに続いている
戯れにつまみを回す天使
低周波から高周波へ
低き場所から高き場所へ
少女の囁やきから狼の遠吠えへ
ΑからΩへ
天使が去った後もノイズは鳴り止まない
人々は消え去り塩の柱だけが地には残った

──UNCIVILIZED GIRLS MEMORY / Wolf Creek

Siren for Charlotte から UNCIVILIZED GIRLS MEMORY/Wolf Creek 『ANGELIC CONVERSATION』をリリースします。
“天使の会話”というポエティックな文言が皮相に響く、憎悪と美、暗黒と死の匂い、頽廃的サブカルチャーと青い幻景、高度に構築された思弁と隣接するデストルドー。その様に縫われたヴィヴィッドな生と死のタペストリーは、貴方の人生に穿たれる快楽の釘になるだろう。
ここでは高みにある（とされる）神や天使も、地上に生を受ける我々や生きとし生けるものも、地底 に生息するルシファーや不浄（とされる）者も極めてフラットに、水平に実存するものとして息づいている。それは彼らのラディカルな思弁、宗教観による部分もあるだろうし、ノイズミュージックの反権力性がそもそもその様な性質を内包しているとも言える。
そして、その腐爛と美の激情の果てに響く轟音は、隣接を超えた新しいシューゲイザーにおけるオルタナティヴとして成立する。
漆黒の果てにある色彩を、涜神の果てにある翼を、地底で鳴り響く祝歌を是非ご体験下さい。

──Siren for Charlotte

■ Release

■ Siren for Charlotte

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