UKのニューカッスル・アポン・タインの5人組シューゲイズ/ドリームポップ・バンド、Waves of Dreadがデビュー・アルバム『A Bad Dream in a Raging Sea』をリリースした。
2年以上の歳月をかけて制作された本作は、レコーディング・スタジオをセラピーのように活用し、個人的な問題や不安をチャネリングして、希望と幸福感に満ちた約40分間の音楽として作り上げられている。
ライブレビューでは“カメレオンのような(chameleonic)”と表現されるこのバンドのデビュー・アルバムは、音楽的にはローファイ・ノイズ・ポップ、緻密なドリームポップ、そして壮大なシューゲイズの要素がシームレスに組み合わされている。例えばオープニングの「Moon Shows/Sun Shows」は、シンプルなイントロからブラスの効いたハリウッド風のエンディングへと続き、壁のようなノイズとストリングスのモチーフを取り入れつつ、一貫したバンドのサウンドを保った楽曲となっている。
アルバム全体を通して、大胆でノイジーな「Motion」や「Forevermore」といった楽曲がある一方で、より感情的な瞬間もバランスよく配置されており、特に亡くなった自身の親へのオード(頌歌)である「Cold」や「Oyster」など、歌詞の中には叙情的で繊細な部分もある。しかし、本作はそうしたダークな場所から生まれたが、アルバム全体から感じられるのは逆境や不運に打ち勝つための音楽だ。
■ Release
Waves of Dread – A Bad Dream in a Raging Sea
□ レーベル:Self Released
□ リリース:2023/10/13
□ トラックリスト:
1. Moon Shows/Sun Shows
2. Artless Hearts
3. Forevermore
4. Cold 02:54
5. Motion
6. Twilight
7. You
8. Oyster
9. Lay
*Bandcamp:
https://wavesofdread.bandcamp.com/album/a-bad-dream-in-a-raging-sea