Label – Slowsnow Records
Release – 2020/03/21
ロシアのサンクトベルク出身のポストメタル/ブラックゲイズ・バンド、Olhavaによる2ndアルバム。2020年のブラックゲイズの筆頭に成り得る傑作。
明らかにDeafheavenの文脈に属しており、彼ら譲りの轟音や歌唱が際立っているが当然そこに留まるバンドでは無く、ブラックゲイズとしての確かな耽美と夢想に眼差しが向けられている。影響源として挙げられるのは前述したDeafheaven、アトモスフェリック・ブラックメタル、シューゲイザーの諸作だと思われるが、それらを高い次元で自分達の表現として昇華しているし、浄化されたそのサウンドは近年のネオ・フォークや前述したアトモスフェリック・ブラックメタルの自浄という動きと同期しており、その共時性にも興味をそそられる。「Smoldering Wood」「Trembling Night」「The Heart Is A Lonely Hunter」「Ladoga」の4曲で演奏される轟音とノイズの中に垣間見える美しい情景は明らかにシューゲイザー以降のものだろう。
text by aro
Author
- 大阪を拠点に活動する音楽ライター/歌人/レーベル主宰者。Sleep like a pillowでの執筆や海外アーティストへのインタビューの他、遠泳音楽(=Angelic Post-Shoegaze)レーベル「Siren for Charlotte」を共同オーナーとして運営し、主宰を務める短歌同人「天蓋短歌会」、詩歌同人「偽ドキドキ文芸部」にて活動している。好きなアニメはserial experiments lain、映画監督はタル・ベーラ。