
Label – Vinyl Junkie Recordings
Release – 2020/02/05
前作から約5年ぶり。まず曲名からして否応なしに目を引くインスト曲「Nagoya」で幕を開けるなど冒頭から日本のファンを喜ばせるわけだが、最後まで聴き終えれば彼ら自身のイメージを刷新するほどの会心作であることがお分かりいただけるだろう。
アタック感のある「Gazin’」や「Just like you」、My Bloody Valentine顔負けの心地良いトレモロ・アーム奏法が前面に出た「Once upon a freak」など、”らしい”サウンドは健在。しかし一方で、「In your arms」で聴かせるアレックスの幻想的なヴォーカルは危うい美しさを放っているし、儚げで内省的な「Disease」や「I don’t want to lose this」、”静”と”動”のコントラストが圧巻の「Cotton candy clouds」など、かつてないほどの美意識が感じられる楽曲が多い印象。全体を通してみても、これまで以上にドリーミーで耽美的な雰囲気を纏った作品と言える。
いわゆる”ニューゲイザー”の中でも王道のサウンドを鳴らすバンドとして登場した彼らだが、長い年月を経て本作でターニング・ポイントに突入したことは明らかだ。そんなアルバムにデビュー作以来のセルフ・タイトルを冠したのだから、ここがまた出発点となるのだろう。彼らの新たな門出を精一杯祝福したい。
text by osushitabeiko
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